こどもに聞かれたのが始まりでした。
うまく答えられなかったことがきっかけで、『もったいないばあさん』が生まれました。
「もったいない」は、他の一言に置きかえることができません。
イメージとして、なんとなく意味がわかってくれたらと思い、『もったいないばあさん』という絵本を作りました。
そのとき、私たちは、「もったいない」の意味がわからない生活をしているのかもしれないと気がつきました。
忙しくて、残していいから早くしてと急かしてしまったり、何かがこわれても、また買えばいいと思うほど安いものがあふれていたり。
使い捨ての暮らしでは、子どもたちは食べものや物大事にしなくても悪いと思わなくなるかもしれません。そうしたら社会はどうなるのだろうと、こわくなりました。
「もったいない」はもともと仏教の言葉で、命の大切さを伝える言葉なのだそうです。
命あるものを粗末にするのは、もったいない。
私たちは、食べもの、生きものの命をいただいて生きています。
「自然の恵みをいただき、感謝して大事に使い、ただゴミとして捨てるのではなく、最後まで活かし、自然に返す循環の社会。
それができないのはもったいない」というもったいないばあさんの考えとともに、絵本を通して大切なことを伝えていけたらと願っています。
もったいないことしていたら、もったいないばあさんがとんできますよ。