子どもたちが、鬼のお面としましまパンツを描いていたよ。上手じゃねと感心していると、「もったいないばあさんも描いてあげる」と言って、お面を作ってくれた。節分にこれをつけて行ったら、豆まきされちゃうかねえ。「ねえ、どうして節分には豆まきするの」と聞かれて、豆と鬼の話をしたよ。
昔むかし、2月の立春が1年の始まりで、その前の日の節分が大晦日だった頃、悪いことがおきたり病気がはやったりするのは、鬼の仕業だと考えられていた。そこで、1年のおわりに鬼と悪いことをはらって、新しい年に福をむかえようと、豆をまくようになったんじゃ。「鬼はそと、福はうち」と言ってね。強い生命力のある豆には魔除けの力があり、「魔の目(鬼の目)に豆を投げつけて魔を滅する」という語呂合わせの意味もあるそうな。豆を年の数だけ食べるのは、火で炒り、邪気を払った福豆を食べて体に取り入れることで、次の年も健康で幸せに過ごせますようにと願ってのこと。余ってももったいないから捨てないようにね。炒り豆は、ご飯と一緒に炊き込むとおいしいんじゃよ。
ところで鬼は、鬼門とよばれる丑と寅の方角からやってくる。丑と寅は夜中の2時〜4時をさしているから鬼がやってくるのは真夜中のこの時間。だから、豆は夜にまく。丑と寅にちなんで、鬼はウシの角とトラのキバを持ち、トラ皮のパンツや腰巻姿なんじゃって。
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