幼稚園の子たちがお年寄りの施設に遊びにきてくれたよ。おじいちゃんたちと竹ぽっくりを作り、おばあちゃんたちとお手玉を作ってあそび、みんな楽しそうじゃった。祖父母と暮らす子どもたちが減って、おもちゃを自分で作って楽しむ昔ながらの遊びをすることが、今は少なくなったという。
若いお父さんやお母さんは、自分もそうやって遊んだことがない人もいるから、お年寄りから受けつぐ機会がなければ、遊びの文化もとだえてしまうかもしれないね。
「竹ぽっくりの紐が切れちゃった」と持ってきた子が、「自分でやってごらん」と言われ、手伝ってもらいながら、紐を通して結んでいた。最初はうまくいかなくて、「もういらない」と放り出しそうになったけど、根気よくおしえてもらい、できた時には満面の笑顔。うれしかったんじゃろうね。
自分で作ったものには愛着がわいて大事にするし、壊れても自分で直すことができる。それが暮らしの中で身についていれば、簡単にものを捨てたりしないと思うんじゃ。反対に、自分で修理できないものや、直すより買ったほうが安いものばかりでは、使い捨てても悪いと思わなくなってしまう。
ものを最後まで使いきる、生かしきる、「もったいない」ということ。
それが身についているお年寄りが、子どもたちと一緒に過ごす時間は貴重じゃよ。
ものを大切にする心も受けつがれるように、こんな機会が増えていくといいね。
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