「ごはんつぶ残したら目がつぶれるの?」ときく子がいた。私たちはお米の国に住んでいるからね。お米は日本人にとって特に大切な食べもので、それを粗末にするなんて、バチが当たるといわれてきたんじゃよ。食べものはみんな生きている、命あるもの。肉や魚も、お米や野菜も、私たちは食べることで、その命をいただいて生きている。だから感謝して残さないようにいただかないと、もったいない。目がつぶれるというのは、ごはんを残したり食べものを粗末にしたら、命や本当に大切なものが見えなくなるということじゃ。
……と言いながら思い出した。節分過ぎに、あちこちから「もったいない、もったいない」という声が聞こえてきたことを。売れ残った恵方巻きが大量に捨てられるのはあまりにもったいないと多くの人が言っていた。
その一方で、恵方巻きは一日だけど、おにぎりは毎日もっとたくさん捨てられているのだという人もいた。食べものが捨てられるのは、おにぎりでも恵方巻きでもなんでも、本当に一番もったいない。「一粒残さず食べるべし」といいながら、売れ残った大量の海苔巻きやおにぎりのごはんを捨てるなんて、まるで大人の方が命の大切さが見えなくなっているんじゃなかろうか。それでは子どもたちに合わせる顔がないよ。
食べものを捨てることがなくなるようにするにはどうしたらいいのか、考えないといけないね。もったいない。
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