「もったいないばあさん、かしわもちの葉っぱある?」と子どもたちがやってきた。端午の節句に食べるおもちについて調べる宿題が出たんじゃと。「うちにはないねえ」「どっかにないかな」「去年の葉を干して置いてる人がいるかもしれないね。それか、他の葉っぱならあるかな」「他の葉っぱ?」「かしわもちは、他の木の葉で包むこともあるんじゃよ」「えー、どうして?」さあて、調べてごらん。宿題じゃ。
数日たって、その子達がまたやってきた。
「昔は料理やお皿に使う葉っぱのことをカシハって呼んで、葉っぱで包まれたおもちをかしわもちって言ってたんだって」そうじゃね。おもちを包むのは身近にたくさん生えていた葉が使われていたから、土地によっていろいろ。かしわもちにも歴史あり。いろんな言われがあるけれど、子どもの日に食べられるようになったのは、縁起のいいカシワの葉っぱとかしわもちが合わさったとされている。
「カシワの木が縁起がいいのは……」
「知ってるよ。新しい芽が育つまで古い葉っぱが落ちない木だからでしょ」
そう、子どもたちがちゃんと育つまで見守ることができるようにと願う親心から、子どもの日のお祝いに食べられているんじゃよ。
「かしわもちの葉っぱも食べないともったいないの?」
葉は香りを楽しんで、おもちは残さないように食べようね。
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