幼稚園の子たちがお年寄りの施設に遊びにきてくれたよ。おじいちゃんたちと竹ぽっくりを作り、おばあちゃんたちとお手玉を作ってあそび、みんな楽しそうじゃった。祖父母と暮らす子どもたちが減って、おもちゃを自分で作って楽しむ昔ながらの遊びをすることが、今は少なくなったという。
紫色の上品な花が咲いている。「これってアヤメ?」「ショウブじゃない」と話している人たちがいたよ。「菖蒲」という字は、ショウブだけでなく、アヤメと読まれることがあって、紛らわしい。
それに、アヤメ、ハナショウブとカキツバタの3つの花はとてもよく似ていて、見分けがつきにくいことで知られている。
外国から来た人が商店街に飾られた鯉のぼりを見て、「魚のお祭りがあるのですか」と聞いていたよ。案内の人が「いやあれは、子どもの日の飾りで……」のあと、なぜ鯉のぼりなのかの説明につまっていたので、助け船を出すことにした。
廃校する小学校の卒業文集を読ませてもらったよ。「学校の桜の木で染めたハンカチを作りました。思い出の品として。校門の前にあって、毎日前を通っていた桜の木。花の季節には、卒業生の門出を祝い、新入生をあたたかく迎えてくれた木。だけど、自分たちが卒業したら終わり。次の春を見る人はもう来ないのだと思うと、涙がこみあげてきました。
冬になると食べたくなる粕汁。鮭やブリ、大根、にんじん、ごぼうなどを入れて酒粕で煮込んで作る粕汁は、体の芯からぽかぽかあったまって、寒い日にうれしいごちそうじゃ。若い人の中には、粕汁や、酒粕を使った料理を作ったことがないという人がいて、お店の人が、「酒粕を買うのは50代以上の人がほとんど。家で作る人も少なくなったかもしれませんね」と話していたよ。もったいない。
子どもたちが、鬼のお面としましまパンツを描いていたよ。上手じゃねと感心していると、「もったいないばあさんも描いてあげる」と言って、お面を作ってくれた。節分にこれをつけて行ったら、豆まきされちゃうかねえ。「ねえ、どうして節分には豆まきするの」と聞かれて、豆と鬼の話をしたよ。
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